メッセージ

山を見守り次へと繋げる 人間らしい生き方を求めて

   

2018年10月11日:更新

移住者からのメッセージ

プロフィール

   

渡邉喜紀さん/1974年長野県千曲市生まれ。大学卒業後に東京の建設会社に就職し、29歳で退職。
       帰省後自然や生き物に関わる人達に出会い、自然豊かな地への移住を考え始める。最終的には奥さんの
       地元である八戸市に身を置き、三八地方森林組合で働くことに。林業を通して、木の大切さや森の在り
       方を伝える仕事をしている。



何も分からない状態からの林業人生

県の70%が森林面積という青森県で、山を存分に楽しんでいる渡邉喜紀さん(44)。三八地方森林組合に所属し、森を整備したり、山の楽しさを伝えるイベントを企画するなど、自然と共にある生活をしています。


「青森に来て初めて林業に関わりました。何も分からない状態からのスタートだったんですよ」


 

渡邉さんの実家は長野県千曲市で畳屋を営んでおり、小さい頃から建築現場を見て育ちました。その影響もあり、将来は大きな建築物を造ることを夢見て東京の建設会社へと就職しました。しかし、働くうちに「これは自分が一生関わる仕事なのだろうか」という疑問が生まれ、29歳の時に退職。東京の民芸店で働いていた八戸市出身の奥さんと2人、地元長野へ戻ることにしました。


実家の手伝いをする傍ら渡邉さんが行ったのが、移住者の人達に積極的に会いに行くこと。「たぶん、色んな人の話を聞いて、自分が本当にやりたい事を探していたのかもしれませんね」



その時、長野県にある「糸の会」の存在を知った渡邉さん。糸の素材となる綿や羊毛を育てている人達と連携し、手紡ぎの良さを伝える団体で、渡邉さん夫婦はその会を通じて、羊毛の毛刈り体験をさせてもらえる機会を得ました。


毛刈り中に暴れる羊を押さえるという仕事を任されたのですが、吹き飛ばされ、体当たりをされ、終わる頃には握力が全く無くなり、経験したことのない重労働を味わいました。しかし、その疲れは心地良く、今までにない満足感があったそうです。生き物と全力で対峙し、それを次に繋げていく。自然と一体になる生き方に感銘を受け、自分も自然に近い生活をしたいという思いが強くなったのです。




移住先を求め、導かれるように辿り着いた八戸市

田舎へ移住する新しい生活をスタートさせたいと改めて思った渡邉さんは、当初は長野県内で探したものの、思い描いた場所と出会えず、テレビドラマで見た北東北の自然に感銘を受け、この地域へ移住したいという気持ちが一気に強くなったそうです。


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しかし、移住に向けて行動に移したタイミングで、東日本大震災が起きました。先の見えない中、渡邉さん夫婦を迎え入れてくれたのが、奥さんのお父さんでした。


「八戸に来て、ゆっくり考えればいいと言ってくれたんです。でも、何もしないで家にいるのも申し訳なかったので、震災雇用で募集していた三八地方森林組合にご厄介になることになったんです」


背景にある人の想いを自然に繋げる

林業の世界は初めてでしたが、建設業のスキルが活かせることから、とりあえずやってみようという気持ちで始めた渡邉さんでしたが、まず言葉の壁にぶつかることになりました。地元の林業者が話す方言が全く聞き取れず、夕方になると頭痛がするほど。しかも、知識がなかったため、聞かれた質問に対しても答えられず、「これではいけない」と、猛勉強したそうです。


「とにかく作業を覚えるのに必死でした。今でも山に入ると知らない植物を見つけたり、覚えることはまだまだあります。でも、何年経っても新しい発見があるのが、山の楽しさだと思います」。


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何度も山に入り、山主の話を聞き、森と向き合ううちに、自分が手をかけることで森が生き、それが人を含めた生き物すべてに返ってくるという事に気付いた渡邉さん。自然の中の一部に自分が関われる喜びを知り、やっと理想と思える仕事を見つけたのです。


山主の高齢化や跡継問題などで放置されている山を整備するのですが、渡邉さんは一度山を見て、持ち主がどういう思いで植林したか、どんな未来を考えていたかを想像して山主に会いに行くことを心がけています。単に整備するだけではなく、背景にある人の想いを汲み取って、自然と繋げていくのです。


「自分の行動が少しでも山主や地元の人に伝わり、山の見方を改めて考えてくれたら嬉しいですね」。木は何百年とかけて成長し、ゆっくり森を造ります。次の世代、そのまた次の世代へと繋いでいくことが何よりも大切だといいます。


年々増えていく自然の中での趣味

念願の自然に近い仕事に就いた渡邉さんは、私生活でももちろん自然を満喫しています。田んぼを借りて米を育て、週末は仲間と共にキャンプをし、自然の星空を眺めながら焚き火を囲みます。最近は海釣りの趣味もできたそうです。

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「田んぼは仲間の子供達にも手伝ってもらったんですが、みんなすごくいい顔をするんですよ。そういった体験を林業でも出来ないかと思って、今計画中です」と楽しそうに笑う渡邉さん。


地元に帰ってきた奥さんは、伝統工芸の南部菱刺しや手仕事の教室を開き、自宅で展示会も開いています。5歳になる子供と家族3人で八戸市での生活を楽しみ、心身共に落ち着けたと感じているそうです。


「何より自分達が生活を楽しむのが一番ですね。山の楽しみはいっぱいあります。青森にはこんなに山があるんだから、その楽しみを知ってほしいですね」


色々な選択と出会いが積み重なり、今の生活に辿り着いた渡邉さん。そこにあるものを大切にし、自然体で青森の生活を楽しんでいるのです。





【イベント情報】

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平成30年10月20日(土)13:30~16:40
移住・交流情報ガーデン(東京都中央区京橋1-1-6 越前屋ビル1階)
詳細はこちら! http://www.aomori-life.jp/event/ijyuevent/detail.php?id=920

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