本州最北の青森は、地域や四季によってまったく異なる表情を見せるワンダーランド。
地形が気候を左右し、歴史がさまざまな文化・コミュニティを形成し、
アイデンティティとして根付いています。
じょっぱり(頑固者)だけど情に厚い。そんな青森県民の気質を育む風土をご紹介します!
年間平均気温11.0度。冷涼で過ごしやすい青森は、全国的にも台風が少ない地域として知られています。三方を海に囲まれ、奥羽山脈が県内を二分しているため、地域によって気候が大きく異なります。例えば、冬は冷たく湿った空気が奥羽山脈にぶつかって津軽地方に多量の雪を降らせますが、山脈が障壁となり、太平洋側は乾燥した晴天の日が続きます。また、夏はヤマセの影響を受ける太平洋側で低温・多湿の日が多くなります。月別の平均気温に大きな差は見られませんが、最深積雪量を比較すると一目瞭然。西側はスキー、東側はスケートが盛んといったように、ウィンタースポーツにも違いが見られます。
青森と言えば、他県民には難解な独特の方言やイントネーションが魅力のひとつ。「津軽弁」「南部弁」「下北弁」に大別されます。共通する部分はあるものの、受ける印象が異なる青森の言葉。会話をしていると聞き慣れない単語も多く、はじめのうちは戸惑うこともあるかもしれません。そのときは「方言が分からないのでゆっくり話してほしい」と相手に伝えることも大切です。
本州の最北端に位置しており、緯度で言えばニューヨークや北京、マドリードなどとほぼ同じ北緯40.5度。北は北海道との間にある津軽海峡、東は太平洋、西は日本海に面しており、岩手県・秋田県と隣接しています。
変化に富む地形を象徴するのが、中央にそびえる奥羽山脈の北端・八甲田山です。これを挟んで日本海側には白神山地や津軽半島、太平洋側には八甲田山系東部の丘陵台地と下北半島があり、青森の気候を二分しています。中央部には青森平野が広がり、さらに津軽半島と下北半島に囲まれるように陸奥湾があり、航行する船を見ることができます。
郷土に関する意識調査によれば東北随一の人見知り。一方、打ち解けるとすぐに会話が弾むと言われる青森県民。自分たちが思う青森県民のイメージは「がまん強い」が64.1%と高く、次いで「まじめ」が48.0%。そのほか「素朴」「世話好き」「保守的」といった意見が多く、温和で照れ屋な「東北人気質」と「じょっぱり」と言われる旧来の頑固さが、青森県全体の県民性として根付いている様子がうかがえます。
世界自然遺産の白神山地や、十和田八幡平国立公園、三陸復興国立公園などの自然公園が点在する青森県。奥入瀬渓流や弘前城の桜など全国的に有名なスポットも多く、こうした自然が、豊かな人間性を育みます。
一次産業が盛んな青森。変化に富む気候と地形、豊かな水が大地の恵みをもたらし、県を囲む3つの海は漁業、養殖業に最適です。面積の65%を森林がしめ、文字通り「青い森」に囲まれています。食料自給率も全国的に高く、日本の食料を支える大きな役割も果たしています。
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夏は、冷涼な気候の青森が最も「熱く」なる季節。青森の三大ねぶた祭りをはじめ、下北半島最大の「田名部まつり」や、ユネスコ無形文化遺産「山・鉾・屋台行事」に登録された「八戸三社大祭」など、故郷を愛する人たちの情熱が人々を魅了します。
温泉地数全国5位・湧出量全国4位(いずれも令和2年3月末現在)を誇る青森県。千人風呂とも呼ばれる混浴大浴場が有名な酸ヶ湯温泉や浅虫温泉など、各地に名湯・秘湯があります。また、公衆浴場も多く早朝から営業している店舗が多いことで有名です。
全国屈指のりんごの生産地である青森県ですが、ほかにもニンニクやながいも、ホタテ、言わずと知れた大間のマグロなどが生産されるまさに食材の宝庫。こうした食材を使った郷土料理も数多く、暮らしの知恵から生まれた味として各家庭で親しまれています。
国内最大級の集落遺跡である特別史跡「三内丸山遺跡」をはじめとする縄文遺跡群が数多く遺されています。また、津軽塗やこぎん刺し、南部裂織といった伝統工芸も数多く継承され、幅広く親しまれています。