移住者メッセージ

「ぶどう」で人に喜びと感動を与えたい

   

2020年2月 3日:更新

移住者メッセージ

プロフィール

   
伊東 竜太さん/
出身地:神奈川県横浜市、移住地:弘前市、職業:農業

弘前大学を卒業後、株式会社森の中の果樹園(弘前市)で果樹全般の栽培を学び、2009年から独立して「岩木山の見えるぶどう畑」を開業。

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農業をやっていく上で一番大事にしているのは、食べてもらう人に喜びと感動を与えるようなものを食べさせたいという気持ちです。自分が農業を始めるきっかけとなったのも、弘前に来て、知っている人が作ったりんごと野菜を食べたら、美味しさはもちろんなんですけど、喜びと感動があって、自分も食べ物で人を喜ばせたい、感動させたいと思ったからです。

大学の専攻は農業土木でしたので、栽培の方の知識はありませんでした。卒業後、株式会社森の中の果樹園(弘前市)に勤めていたときに、客観的な目で色々な作物を見ることができ、実際に作業してみて感じた結果、「ぶどう」を選びました。ぶどうは凍害とか病気になりやすいなど結構手が掛かります。でも、手が掛かるものだからこそ、失敗すればゼロにもなるけど、うまく手を掛けてやれば人と違うものができるんじゃないか、そう思ってぶどうを選びました。


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最初農業を始めるのに、青森県や弘前市、農業委員会、農協など、情報を集めにいろいろ回りました。今の農地は、不動産業者を通して見つけましたが、農地は売り手と買い手の交渉で決まるので、農業に参入したい人にとっては、売り手と繋いでくれるような窓口があると、より参入しやすくなると思います。
最初は失敗もありましたが、地元の方からアドバイスをいただいたり、自分なりに管理方法などを試行錯誤しながら作っています。ぶどう作りをはじめて一番感動したのは、お客様に買っていただいたときだけでなく、友達が遊びに来たときにさっと出したり、近所にお裾分けしたときなどにもリアクションがすぐ分かって、美味しかったと喜んでもらえたところです。


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岩木山の魅力と雪がもたらす絆

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農園には「岩木山の見えるぶどう畑」と名付けました。岩木山が綺麗に見えるということは、すごい魅力的だなぁと思います。特別な景観地からじゃなくても街中のどこからでも見えます。仕事しながらパッと見ると岩木山があるというのは、何とも言えない魅力があると思います。

「雪の降る地域は、雪が降るから人の仲が良くなるんじゃないか」と西日本に住んでいる友達から言われたことがあります。私の家ではトラクターで除雪してますが、向かいの家に機械がなかったときには自分が進んで除雪したりとか、隣の家の屋根から雪が崩れてきたときにはすぐ片づけに行ったりしています。そういうのは、昔からそこに住んでいる人たちにとっては当たり前のようにやっています。また、朝、家を出ると雪が積もってて、それを片付けていると隣の人と「おはよう」の挨拶ができます。雪が降らなければ車でさっと出かけていて、たぶん挨拶を交わすこともないのかなと思います。それが雪のプラスなんじゃないかと思います。考えようによっては、雪は不便かもしれませんが、不便だからこそ、人との繋がりが生まれたりとかは間違いなくあると思います。

青森県に興味がある方、暮らしてみたい方へ「人との繋がりを大事に」

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自分が横浜から来たとか特別そういう意識はなく、いたって自然体で接しています。農業をやっている同世代の大半が消防団に入っているという話を聞き、自分も入りたいなと思って参加しました。そこでいろんな人との繋がりが持てましたし、仕事の幅も広がります。横浜にいた頃と比べて今の方が人との繋がりは大きいです。
人との繋がりを大事にすること、誘われたら断らずに行くこと、地域の行事なども行けるときには全部行くようにしています。とにかく人との繋がりを広げて、その繋がりがまた人との繋がりを生むと思いますので、そこは一番大事にした方がいいと思います。



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