角館 徳子さん/ 出身地:岩手県宮古市、移住地:弘前市、職業:こぎん刺し作家 |
弘前大学在学中にこぎん刺しを知り、卒業制作では4ヶ月以上をかけてこぎん刺しを制作。卒業後は、弘前市内の工房に就職。2012年に独立し、田舎館村に手作り工房「キルクディクディク」を開業。
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弘前大学在学中にこぎん刺しと出会い、2010年に卒業制作で作品にして以来魅力に惹かれ、卒業後は弘前市内の工房に入社しました。2年とちょっと勤めたところで、やはり自分のやりたいことがあり、独立して手作り工房「キルクディクディク」を開業しました。
こぎん刺しは、幾何学模様がすてきで、実用を兼ねているところがすごくいいと思いました。私は、自分で採取した草木から色を出す「草木染め」で材料を染めて、全て自分の手作りで制作しています。草木染めの色合いが好きです。自然の色は優しいし、いろいろ組み合わせてもお互いにケンカをしないというか、すんなり合うところがいいです。
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弘前に住もうと思った理由は、3つあります。学生時代に4年間住んでいたにもかかわらず地域のことをよく知らないなと思っていたところにこぎん刺しを知って、もうちょっと住んでみたいという気持ちが強くなったのと、卒業後に工房に入社できたというのも大きかったです。また、学生時代に弘前に住んでいる主人と出会って、もっとお付き合いを続けていきたいと思ったからです。
私から見て弘前は、津軽塗りとか津軽打刃物といった伝統工芸もあって、城下町の文化がとても色濃く残っている街だと思います。また、古い建物がたくさん、しかも街の至る所に残っているので、ぶらぶらと散歩するだけですごく楽しいところが気に入ってます。弘前公園やその周りの藤田記念庭園とか、前川國男さんが建築した市役所とか。また、土手町を歩けば喫茶店とかも多いし、その裏の方にも雑貨屋さんとか結構最近いろんなお店ができてます。代官町に先日行ったら新しいパン屋さんや珈琲屋さんができてました。土手町から代官町の辺りは歩いててすごく面白いなと思っていて、県外からお友達が来たら案内してあげたい場所です。
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また、私は人のお家とか庭先を見るのも好きです。古いお家でも綺麗に住んでいるというか、住居でも生活の身の回りの物でも古い物をちゃんと使っているところがすごくすてきで、いいなぁって思ってます。
大学に進学したばかりの頃、一番ビックリしたのは津軽弁でした。大学1年の時に、バイトのお店の人もお客さんも何を言ってるのか本当に分からなくて大変でした。最初はビックリしましたが、どういう意味ですかと尋ねると親切に教えてくれるし、そこで話が広がったりもしたり、新しい発見に繋がったりして楽しいと思いました。雪は、祖父が安比高原の雪がたくさん降るところに住んでましたから、それほど驚きではなかったです。学生の頃は、大家さんが雪かきをしてくれたから大変だとは思いませんでしたが、今は自分で工房の雪かきをしなければいけませんので結構大変です。
こぎん刺し作家でありながら、制作から販売までを全部一人でやっています。県内よりも県外のイベント出展の方が結構多かったりして、楽しいけれど、大変なところがありますので、将来は、作家に専念していけたらいいと思います。
会社勤めと違って定期的にお給料が入るということはありませんが、その分じっくり時間がとれて、気の済むまで制作に打ち込めるところが、自分には合っていると思います。
毎日、とっても充実しています。