移住者メッセージ

握るのは拳からこけ玉へ。舞台はリング上から、奥入瀬渓流へ。

   

2020年2月 3日:更新

移住者メッセージ

プロフィール

   
起田 高志(おきた たかし)さん/
1981年、十和田市に生まれる。大学時代、社会人とアメリカンフットボールに熱中。

2005年にアメフトで日本一になった後に、プロレスラーに転身。2011年怪我のためプロレスラーを引退して十和田市にUターン。こけ玉職人に転身する。翌年には「奥入瀬モスボール工房」を開業。2014年、こけの模様をひょうたんのランプで表現した「oirase lamp」を発表。
日本のみならず、台湾・ニューヨークなど世界で奥入瀬の魅力を発信し続けている。

最近メディアで取り上げられることの多い"奥入瀬のこけ"。派手さはないですが、眺めるほどに愛着が湧いてくる魅力的な植物です。そんなこけを丸めたものを「こけ玉」と呼び、こけ玉ビジネスを展開している日本唯一?のこけ玉職人が、十和田市で活動している「奥入瀬モスボール工房」代表の起田 高志さん(38)です。

こけは英語でmoss(モス)と呼ばれることから、こけ玉職人である起田さんは地元では「プロモスラー」と呼ばれているそうです。


日本の貴重な苔の森 奥入瀬渓流

深い自然林に覆われ、生き物たちの楽園となっている奥入瀬渓流。長い時間をかけた火山活動によって形成されてきた断崖や渓谷、そして豊かな水が奥入瀬渓流の景観に美しさと躍動感を感じさせます。そんな奥入瀬渓流の雄大さに目を奪われますが、ふと足元を見下ろすと、そこにはたくさんの"こけ"が生えていることに驚かされます。

奥入瀬に生えているこけは約300種。目を凝らすと、それぞれ種類によってこけの特徴的な魅力が見えてきます。起田さんもそんなこけの魅力に取りつかれた一人。しかし最初からその素晴らしさに気付いていたわけではありませんでした。



人の心を動かす生き方をする

「プロレスラーなら自分の体格とキャラクターを存分に活かせると思いました」

社会人アメフトチームを辞め、都内勤務のサラリーマンを辞め、プロレス道場へ入門。10代での入門が一般的な世界へ、25歳での下積み生活のスタートでした。スクワット1000回、スパーリング3時間、寮生活を送りながら練習に明け暮れる毎日。なかなか結果を出せず、心身ともに疲れ果てた時に支えてくれたのが「こけ玉」でした。

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「朝のランニング中に、お花屋さんで見かけたのが最初の出会いです。それ以来、厳しい練習後に、道場の窓辺に飾る"こけ玉"とのふれあいが、癒しのひと時となりました。いま考えると、当時から十和田の自然を、手の平で楽しめるこけ玉に魅力を感じていました」

目まぐるしく過ぎていく日常の中で、こけ玉は忘れかけた故郷の香りを思い出させてくれていたのかもしれません。過酷な練習を乗り越え、リング上ではファンからの歓声を浴びる毎日。厳しいながらも充実した日々を過ごしていましたが2011年、レスラー人生を左右する大怪我をしてしまいます。

手術後の病院ベッドで思い返したのは、自身の将来像。結局この怪我がきっかけで30歳でプロレスラーを引退することを決意しました。

こけ玉職人(プロモスラー)へ転向

プロレスラー引退を決意したものの、手に職も、貯えもなかった30歳の夏。
「どんな仕事をしようかと思い悩んでみると『人の心を動かす生き方をしたい』というのが自分の根源にありました。」

アメフトもプロレスラーも、多くの人に喜んで貰う手段として選んできた道。どうせなら好きなことを仕事にして、それを手段に多くの人に喜んでもらおうと決めたのが、こけ玉職人でした。

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青森県十和田市へ帰郷し、自宅の作業小屋で毎日こけ玉を作り続けていました。

レスラー時代に培ったブログを活かし、ネット販売で好調なスタートを切ったものの、「こけ」をどうビジネスにするか、どのように継続していけば良いのか思い悩む日々が続きます。

「そんな時、新聞で奥入瀬渓流のこけが注目されていると知りました。実際に奥入瀬渓流には、そこら中に大きな岩があり、その上にこけがびっしり生えていて、こけむした岩の上から木が生えている。そこには天然のこけ玉が転がっていたんです。その近くでこけ玉を作れるなんて最高の環境だと思いました」。

あらためて地元にあふれる魅力に出会い衝撃を感じた起田さん。こけ玉に奥入瀬渓流の魅力を詰め込んで日本中、世界中に届けようと、奥入瀬渓流館に店舗と拠点を置くことにしました。

しかしその活動を始めたころは、多くの反響が届きました。「奥入瀬の価値を磨き、自然を守りたい」という想いとは裏腹に、「こけを採取し売り物にしている」という誤解から生まれたクレームです。(モスボール工房で制作するこけや苗木は種から育てた素材を活用しています)

しかし連日、人が集まる様子やTV・新聞取材も多数あり活動も浸透。これまで注目を浴びることのなかった存在は、観光資源として定着し、こけを眺めに来てくれる観光客が増えています。

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「奥入瀬は唯一無二の場所。自然が豊かなのは当然ながら、アクセスが良く車窓から大自然が楽しめる。ハイヒール、サンダル、足の不自由な方でも自然を満喫できます。コンビニ感覚で奥入瀬を散歩できるというのは、自分にとって代えがたい価値だと感じています。十和田に生まれて良かったと思える時間ですね」。一見こわもての起田さんが相好を崩して語ってくれました。

小さな奥入瀬を世界へ

起業して三年目には、こけ玉に続き、ひょうたんランプ専門店を開業。
奥入瀬で眺められるこけの模様をランプで表現した"oirase lamp"です。今では世界中からの観光客が、奥入瀬を散策し、その思い出をランプ制作体験で楽しんでいます。

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自身の道を選ぶ時は退路を断って、様々なキャリアに挑み成功をおさめてきた起田さん。

プロレスラーとしては苦難も味わいましたが、青森へのUターン経験を振り返って感じているのは、「青森への移住にこだわる理由があり、地域に新しい価値を生み出せたから根付くことができた。」という想いです。

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起田さんがプロモスラーとなって8年。

握るのは拳からこけに変わりました。奥入瀬から日本中へそして世界へ、これからも夢を追い続けます。




【イベント情報】

十和田市にUターンし、新たな価値を創造して地域に根付いた起田さんのお話を直接聞いてみよう!

青森県の三村申吾知事や、ご夫婦で青森に移住してきたゲストさん、青森で活躍している女性人財も登壇予定!
この機会をお見逃しなく!


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