移住者メッセージ

新聞記者の仕事を通じて再発見した、青森の魅力と可能性

   

2022年4月 3日:更新

移住者メッセージ

プロフィール

   

小松 廉(こまつ れん)さん/青森市出身、在住。立教大学卒業後、Uターン。2018年、東奥日報社入社。編集局整理部で紙面作成や見出し作成の業務を担当した後、2020年、編集局報道部へ異動。記者として、漁業や商工に関する取材に携わる。2021年3月、高校時代の同級生と結婚。夫婦で青森市の「合唱団のあ」に所属し、活動中。

首都圏の大学を卒業後、青森に戻り、新聞社に入社した小松廉さん。小さい頃からの夢だった記者の仕事に就き、県内各地を駆け回っています。一度、青森を離れ、外からの視点も交えながら青森を見渡してみると、地元にいた頃には気づかなかった青森の魅力や価値を再発見。取材を通じて出会ったヒト・モノ・コトの魅力を多くの読者に届けたいと、日々、精力的に情報発信を続けています。

新聞記者に憧れた中学生時代   

 「子どもの頃から文章を書くのが好きで、中学生の頃は、新聞記者を題材にした作品にたくさんふれて記者という仕事に憧れていました」と、語る小松廉さん。高校卒業後は、「最先端の情報に触れたり、いろんな人に会って見聞を広げたい」と、首都圏の大学に進学。大学時代は学内の歴史ある合唱サークルに所属し、演奏会の舞台に立ったり、休みの日は都内の美術館巡りを楽しむなど、さまざまな文化や芸術にふれる機会があったと言います。

「東京は楽しかったですが、大学を卒業する頃にはすっかり満足して、東京で暮らすのはもういいかなって。なので、東京を離れることも、地元に戻ることも全く抵抗なかったですね」。大学を卒業した小松さんは青森にUターンし、2018年、東奥日報社に入社しました。

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陸奥湾のホタテの取材を通じて気づいた青森の底力

入社後は、整理部に配属され、紙面のレイアウトや見出し作成の業務に携わりました。2020年、編集局報道部に異動し、ついに子どもの頃からの夢だった記者としてデビュー。1年目は、漁業を担当し、主に平内町のホタテに関する取材にあたりました。

「それまでは、ホタテに関して漠然とした知識しかなかったのですが、実際にいろいろ取材してみると、あらためてそのすごさに気づかされました。陸奥湾のホタテは天然資源ではなく養殖なので、いかに戦略的に作り育てて、いかに戦略的に売るかが勝負。そこには、人の知恵やものすごい歴史が詰まっているんです」。

翌年は、商工担当記者として、コロナ禍で打撃を受けた飲食業の方々にお話を聞く機会が多かったと言う小松さん。「インタビューでは、こちらの聞き方ひとつで、その方の思いを引き出すことができたり、逆に、質問の内容次第でその方に関する情報が全然違うものになってしまう。大変な仕事ですが、それだけに大きなやりがいが感じられる仕事です」。

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雪があるからこそ、協力し合う心が育まれる

 小松さんは、大学時代から長期休暇などで帰省するたびに、青森市の「合唱団のあ」の活動に参加していました。この合唱団で、たまたま、高校の音楽部で一緒だった同級生の女性と再会。2021年3月に結婚し、現在は夫婦2人暮らしです。

 「休みの日は、近くの公園に出かけて2人でバドミントンを楽しんでいます。公園のそばには小学校もあるのでよく子どもたちも遊んでいますが、地域住民がみんなで子どもたちを見守っている印象を受けますね。東京に住んでいた頃は、満員電車や人混みが窮屈でしたが、青森は自然が本当に豊か。青森市から車で1~2時間もあればいろんな所に行けるので、十和田湖方面や下風呂温泉などに泊まりに出かけてリフレッシュしています」。

雪の多い青森は、ともすればそのデメリットだけがクローズアップされがちですが、小松さんは、「青森は雪があるおかげで、精神的な面で鍛えられているのでは?」と、言います。「毎年、災害級の雪に耐えながら、地域のみんなで力を合わせて冬を乗り切っていく。こうした経験の積み重ねはきっと有事の時にも役立つし、そういう意味では青森は災害に強い街と言えるのかもしれませんね」。



「青森の漁師カード」の取組に刺激を受け

 小松さんは、これまで取材を通じて出会った人たちから、たくさんの刺激を受けたと言います。なかでも印象深かったのは、「あおもりの肴」プロジェクトの「青森の漁師カード」の取組。青森県の水産物の知名度向上と消費拡大を図ろうと、青森県庁職員が事業を企画立案する「庁内ベンチャー事業」で始めた活動です。事業の一環で、素肌に漁業用カッパを着た漁師をモデルにしたポスターを制作したところ、「ぜひ譲ってほしい」という声が多かったことから、「青森の漁師カード」を制作。イベントなどで配布すると、SNSを通じて「裸エプロン漁師」としてたちまち大人気に。全国メディアにも何度も取り上げられ、このカード欲しさに青森を訪れるファンも続出しました。

「『漁師さんたちをアイドルにしちゃえ!』って、ものすごく面白い発想じゃないですか。情報を発信するメディア側の人間として、その発信意欲の高さを見習わなくてはと思いました。青森にはご自身が楽しそうに暮らしながら、地元を活性化しようと頑張っている方たちが多く、そういう方に出会うたび、青森に戻ってきて良かったなと思います」。

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高いポテンシャルを秘めた青森は、ビジネスチャンスの宝庫

 青森は、食や観光など資源が豊富ですが、小松さんは、「その資源をまだまだ生かしきれていない部分が多いのでは?」と、語ります。「首都圏は、競争率が高いので埋もれてしまう可能性がありますが、青森ではそうした資源を活用し1番になれる。そういう意味で、青森にはビジネスチャンスがたくさんあるのではないでしょうか。何か人と違うことをしたいとか、面白いものを見つけたい人にとっては、青森は絶好の場所であり、高いポテンシャルを秘めた場所だと思います」。

20224月からは、八戸支社編集部に配属予定だという小松さん。「ハマの文化が根付いている八戸で、たくさんの方に出会えるのが楽しみです」と、笑顔で語ってくれました。


東奥日報社
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