移住者メッセージ

安心・安全な野菜を求め、仙台の料理人から青森の農家へ転身

   

2020年2月 3日:更新

移住者メッセージ

プロフィール

   

和農園オーナー 石田和則さん

1977年、福島県福島市飯坂地域生まれ。両親は桃農家。高校卒業後20歳まで建築現場で働いたあと、飲食業に転身。20代で全国チェーンの居酒屋店長となり、3年連続グループ内トップの売上を記録。東日本大震災をきっかけに青森県に移住して就農。

20160629_1415_R.jpg
ハウスは全部で11棟。あわせて約30アールを石田さんと5人のアルバイトで切り盛りする。この日は村役場スタッフが訪れ、一緒に作柄をチェック。

2011年東日本大震災発生。食材の大切さを痛感し、新規就農セミナーに参加

2011年3月11日、東日本大震災。石田和則さんは自身が経営する仙台市内の飲食店にいた。直後に物流がストップし、食材を炊き出しに使ったあとは、休業せざるをえなかった。

「僕たちは食べ物がないと仕事ができない。それなら食材そのものをつくる側にまわりたいと思った」

20160629_1549_R.jpg
収穫したばかりのトマト。宝石のように輝き、甘くジューシー。大きさで選別して、パック詰めし、出荷する。

師匠の元、ミニトマト栽培の実作業から経営まで学び、蓬田村へ移住

福島の家族に安心・安全な野菜を届けたいとの思いから青森県で就農。アパートを借り、師匠・我満智(がまんさとし)さんの畑に通ってミニトマト栽培の実作業から経営まで学んだ。
2014年7月に独立。今年から規模を3倍に拡大し、アルバイトも増員した。全国的にトマトが品薄になる8月下旬~10月が勝負。最盛期は睡眠不足が続くが、冬は趣味のレザークラフトをしてのんびり過ごす。太陽とともに暮らし、「健康になりました」と笑う。


20160629_1469_R.jpg
一面に青空と田畑の緑。初夏の蓬田村らしいさわやかな光景。

山と海に近い蓬田村の生活費は以前の1/3

飲食業で調理の経験もある石田さん。山と海に近い蓬田村の食材は「おいしいとかのレベルじゃない! コクが違います」。休日には自転車で釣りに出かけ、山菜を摘む。消防団で仲間が増え、米や野菜、魚介をもらう機会も多い。生活費は以前の1/3ほどだ。

今後の目標は、人を育て、みんなで協力できる体制をつくること。経営安定化のため、法人化を視野に入れつつ、村全体で力を入れている玉ねぎ栽培にも着手予定だ。
「農業の世界では40歳は若造。まだまだこれからです」
日焼けした笑顔には〝挑戦者〟という言葉が似合う。



この記事は雑誌「TURNS 2016年10月号(発行元:(株)第一プログレス)」に掲載された記事を再構成したものです。

上部へ