温泉民宿 南部屋経営 田村暁さん
1976年3月12日生まれ。大学時代にバックパッカーとして世界各地を旅行。2009年に海外秘境系旅行会社に就職し、秘境ツアーの企画・添乗員として活躍する。しかしハードな仕事に体の心配を覚え、温泉宿の経営へと方向転換する。現在は愛犬2匹と生活。
40歳を機に温泉宿の経営を決心
大手海外秘境系の旅行会社に勤めていた田村さんが、第二の人生の地として選んだのが十和田市。それは偶然ネットで探し当て〝居抜き〟で購入した民宿「南部屋」だった。
「お客さんを連れていく仕事から、出迎えてもてなす側の仕事をしたくなって......。40歳を機に温泉宿を経営しようと思い立ち、温泉付きの物件を探していたところ、ここが売りに出されていることを知ったんです」
青森ヒバの香りが心地いい浴室。湯の花舞う微白色濁り湯をかけ流し。
宿を購入する前に泊まりに来て、すっかり気に入りました。
宿名や設備は基本的にそのまま使い、申し込んだ市の補助金で畳替えをし、浴場を青森ヒバに改装した。
「決め手はまず温泉でしたね。湯の花たっぷりの良質の湯が源泉のままかけ流し。購入する前に泊まりに来て、すっかり気に入りました」
時々息抜きに足を運ぶ「奥入瀬湧水館」。湧水館2階には「ネイチャーエクスペリエンス グリーンハウス」があり、アウトドアガイドの村上周平さんとも会話が弾む。
近くには十和田湖、奥入瀬などの美しい自然も
さらに古民家だったことや近くに十和田湖、奥入瀬などの美しい自然があることなどが選ぶ理由になったという。オープンは2016年4月30日。まだ宿を切り盛りするのに一生懸命でのんびり生活を楽しむ余裕はないと笑うが、最近は近くの「奥入瀬渓流館」などで地元の人や同じく移住してきた人と、交流を深めつつある。
この記事は雑誌「男の隠れ家 2017年4月号(発行:株式会社三栄書房)」に掲載された記事を再構成したものです。