移住者メッセージ

子育て中に、青森で挑戦するそれぞれのキャリアアップと幸福度が高まった生活

   

2024年5月 8日:更新

プロフィール

   

成田祥大(よしひろ)さん/青森県東津軽郡平内町出身。関東の大学に進学し上京。在学中に通信の美容師専門学校で3年間学び、そのまま美容師として就職。東京での修行を経て、2016年帰青し、青森市内で「アオノハhair make」をオープン。

https://aonoha.com/

 

成田由紀(ゆき)さん/埼玉県三郷市出身。美容師専門学校で祥大さんの同級生として美容について学ぶ。雑貨メーカーに就職後、美容関係の会社に転職。祥大さんと共に青森にIターンしてからも、リモートワーカーとして美容関係の仕事を続けている。

 

青森市の東隣にある平内町で生まれ育った祥大さん。TV番組で活躍する美容師が面白かったからと、大学在学中に通信の美容専門学校で学び始めます。そこで、由紀さんと出会い、後に結婚し、二人の子どもに恵まれます。祥大さんには「30歳ぐらいには青森に帰りたい」という願いがありました。日々の生活に追われ、祥大さんの願いをあまり具体的に考えたことがなかった由紀さんでしたが、祥大さんが本気だとわかり、一緒にIターンする決意をします。

 

子どもが小学校に入る前のタイミングで青森へ

 夏泊半島や夜越山などで知られる自然豊かな平内町で育った祥大さん。青森県にいつか帰って来ようと決め、東京の美容室で9年以上修行しました。

 一方、実家の近くで結婚、出産し、7年程勤続している会社との関係も良好な由紀さんは、祥大さんの「青森に帰りたい」という思いは知っていましたが、具体的に考えたことがありませんでした。

「30歳までには青森に戻らないと、美容師として勝負できないのではないかと考えていました」と祥大さん。

「そう考えると、上の子が小学校に上がる前にUターンするのが、タイミング的に良いと二人で決めました」と由紀さん。

 2015年春、祥大さんは青森に帰るために会社に退職願いを提出します。

 祥大さんは東京と青森を何度も行き来し、青森市で美容室を開くための場所探しや、子どもの保育園探しに奔走。

 2016年2月に会社を円満退職し、2016年8月には青森市内に「アオノハhair make」をオープンします。

 
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引っ越してすぐの青森の暮らし

 家族より一足先に青森に来た祥大さん。オープンしたお店のことで頭がいっぱいな状況でしたが、家族で住むアパートがまだ見つかっていなかったため、東京の由紀さんと連絡を取りながらアパートの内見を重ねました。

 一方、由紀さんは、勤務している会社に事情を話しましたが、会社の方からリモートワークという形で仕事を続けてもらえないか提案されます。

「今でこそリモートワークは普通ですが、当時はまだコロナが流行る前でしたしリモートワークという言葉もありませんでした。青森でできる範囲で仕事を続けてみてほしいと提案されたんです。会社としても初めての試みで、不安はありましたが引き受けてみました。」

 由紀さんは、会社のことをひと段落させ、少し遅れて青森にやってきました。

 

「東京では二人の子が別々の保育園にそれぞれ入っていましたが、青森では同じこども園に入れられることになったし、アパートからも近かったので楽でしたね。」

 子どもの保育環境は問題ありませんでしたが、仕事の環境を整えることが大変だったと振り返ります。

「電話、パソコン、コピー機など、必要なものを一式購入しました。はじめの半年ぐらいは、美容室に間借りしてました。」

 お互い違う仕事を同じ空間でしていましたが、祥大さんがスタッフを雇うことになってからは由紀さんは自宅をオフィスにしました。

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想像を超えた車社会

 リモートワークも順調で、初めての青森ライフを楽しんでいる由紀さん。

 移住する前の予想と違ったことを伺ったところ、「思った以上の車社会だった」という答えが返ってきました。

「東京では、ペーパードライバーで、自転車に子どもを乗せて走り回っていました。青森に来たら、自分以外に子どもを乗せた自転車が走っていないことに気付きました。」

 1年程、車のない生活を送っていた成田一家に、見かねた祥大さんのご両親が車を譲ってくれたそう。

「こども園のお迎えで、近いし大丈夫と思って歩いていました。そうしたら吹雪になってしまって、子どもが寒いって泣き出したんです。かわいそうでしたね。春から運転がんばろうって決意しました。」

 今は車の運転にも慣れたおかげで、子どもの習い事などの送り迎えも便利に。1時間もあれば海も山も気軽に遊びに行ける環境が、青森の良いところだと話してくれました。

 

 とはいえ、由紀さんにとって唯一の悩みは「雪事情」。

「初めて雪国に住んだので、雪かきの仕方もわからないし、道具も何を買えばいいのかわからなかったですね。そこから知らない人もいるということを地元の方には知ってほしいです。それから冬道の運転ですね。何度か怖い思いもしました。移住を考えている方には、移住の前に冬に青森に来てみることをおすすめしたいです。」

青森はいいところしかない

 青森の行楽地を気軽に楽しんでいるという成田さん一家。今後はキャンプ道を極めたいと意気込みます。

 子どもが小学校の授業でスキーを習うことができたり、ねぶた祭りに参加したり、家族全員で青森ライフをエンジョイしている中、移住当初に繰り返し言われたこんな言葉が気になったと祥大さん。

「何にもないのによく帰ってきたね。」

「寒くて大変なところに来たね。」

 祥大さんにとっては、やっと帰ってこれた青森。由紀さんにとっても子どもたちにとっても、雪国ならではの楽しい生活を送っている場所。にもかかわらず、青森を卑下したような言葉が周りに溢れていることが気になったそう。

「地元に与える影響も直に感じられ、商店街の人たちとの繋がりもでき、仕事でもすごくやりがいを感じています。自分にとって、青森での生活は、すごく幸福度が高い。それなのに、周りでマイナスな言葉をかけられると、どうしてなんだろうと悲しく感じました。」

これからの目標

 お二人の青森での夢を伺ったところ、由紀さんは、リモートワークしている会社での仕事について語ってくれました。

「ずっと同じ会社で事務職をしていますが、会社自体がどんどん大きくなっているので、刺激的で飽きることがないです。今はリモートワークですが、もしかしたら自分も青森に貢献できることがあるかもしれないと模索しています。」

 

 祥大さんは、ご自身が経営する美容室はもちろん、美容室が立地するニコニコ通りや、青森市全体で盛り上がっていきたいとのこと。
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「アオノハは、女性が求める"かわいさ"や"お洒落"を提供するという地域貢献を掲げています。ニコニコ通りは様々な年代の方が経営する色んなお店が並んでいて面白いですし、青森市全体で見ても、コーヒーフェスティバルやアスパムなどでイベントを開催してがんばっている方が大勢います。そういうイベントに美容というジャンルで積極的に参加したいですね。」

 

 お二人の夢は、青森でスクスク育っています。

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