移住者メッセージ

アメリカ生まれの私が自然に魅せられ風間浦へ 今では下北が私のホーム

   

2025年3月31日:更新

プロフィール

   

 ヘンリー・レイチェルさん/1987年生まれ、アメリカ・オクラホマ州出身。2012年に来日し、風間浦村の外国語指導助手(ALT)として5年間勤める。その後、むつ市の国際交流推進員を経て、むつ市のジオパーク国際交流推進員として、ガイドや国際交流の業務を担当。休日は登山やキャンプなど自然を満喫しながら暮らしている。

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初めて日本に来たのは、中学生のときのホームステイ

 レイチェルさんはアメリカのオクラホマ州という自然豊かな土地に生まれ、幼い頃からトレッキングや登山をして育ちました。

 
 初めて日本に来たのは14歳のとき。レイチェルさんの住んでいた町と姉妹都市として連携していた秋田県旧仁賀保町(現にかほ市)を訪れ、ホームステイプログラムに参加しました。ホームステイの受け入れ先での思い出や自然豊かな風景が、アメリカに帰ってからも深く心に残っていたといいます。

 アメリカの大学を卒業してからも日本のことを想っていたレイチェルさんは、日本で働くために外国語指導助手(ALT)への応募を決意。勤務先の希望を聞かれたときは、真っ先に「東北地方の自然が豊かで小さな町に行きたい」と答えました。その結果、本州最北端の村である、風間浦村で働くことが決まりました。


 「アメリカでALTの勤務地決定の手紙を受け取ったときに、"勤務地:風間浦村"と記載されていたものの、インターネットで調べてみてもあまり情報が無く、どんな場所なのかイメージできませんでした。でも実際に来てみると自然が豊かで、やさしい人がたくさんで、私にとっては天国みたいな場所。とてもラッキーだと思いました。」

日々の暮らしの中で感じる、下北の自然

 こうしてレイチェルさんは2012年から、風間浦村での生活を始めます。ALTとして村内の小中学校で英語を指導しながら、少しずつ下北の自然に触れていきました。


 「最初は家の近くの林道を歩いたり、川や渓流沿いをハイキングしたりしていました。村に移住したばかりの頃はあまり日本語が分からず、村の情報をキャッチすることに苦戦しましたが、学校の先生たちがおすすめのキャンプ場や登山場所を教えてくれました。」

 日本での生活が慣れていくにつれて、釜臥山や縫道石山、願掛岩などの下北半島の自然にどんどん足を運び始めます。下北には山や海、森林や渓流など多彩で歴史のある自然が多く、住んでいる場所からアクセスしやすいのが魅力だといいます。

 「アメリカにも自然を感じることができるスポットはたくさんありましたが、スケールが大きく、目的の場所へ行くために車で8時間かけて移動したこともありました。下北には車で気軽に出かけられるコンパクトなエリアに、海・滝・森などのバリエーション豊かな自然があるのが素晴らしいです。世界中でもこのような場所は珍しいと思います。」

 日本の暮らしの中で下北の自然を楽しむレイチェルさん。金曜日は仕事終わりにそのままキャンプ場へ向かうことも多いといいます。自然の中で一人、キャンプ場で過ごしたりコーヒーを淹れたりして、ゆっくり自分と向き合う時間を大切にしています。

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【縫道石山の頂上にて】

青森の自然の恵みを満喫。豊富な温泉もお気に入り

 青森の自然に魅せられたレイチェルさんは、週末や連休を利用して、いろいろな場所へ出かけるようになります。下北以外にも奥入瀬渓流や十和田湖、八甲田や岩木山など、県内の名所へ登山やキャンプに出かける日々。山へ行った時には、自然の恵みである温泉にもよく入浴するそうです。


 「青森の温泉は、色や香りのバリエーションが豊富です。キャンプ場でテントを張って、登山をして、その後に温泉でリフレッシュすることが大好きです。」

 中でもお気に入りの温泉は風間浦村の名湯・下風呂温泉。ほぼ毎日入っているそうで、「仕事帰りなど、平日でもサクッと温泉に入れるのは青森ならでは。村民の入浴料は150円なので、家のお風呂に入るよりお得です」と笑いながら教えてくれました。

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【むつ矢立温泉の足湯】

ここが私のホームだと感じる

 2024年で日本に来てから13年目を迎えるレイチェルさん。現在も風間浦村に住みながら、むつ市の職場へ通う生活を続けています。今では、下北が自分のホームだと感じているそう。


 レイチェルさんは、「下北は私にとって特別な場所。都会に住む方が便利かもしれないけど、大切な友達もいるし、豊かな自然がここにはたくさんあるので、この場所から離れたら私はすごく悲しくなると思います。今後も下北の魅力ある自然を国内外の人たちに伝えるため、国際交流やジオパークの活動を続けていきたい」と話します。


 続けて、「まだまだ外国人向けの情報が少ないため、SNSやインターネット上の情報発信もこれから一層充実させていきたい」と今後の展望も語ってくれました。


 「下北は、豊かな自然だけでなく、歴史などの文化がとても興味深いエリアです。たくさんの人が関わって、この文化を残してほしい。私も外国人として、国外も含めてたくさんの人に下北の良さを伝えることを目指しています。私にとって下北は世界一の場所。そのことが多くの人に伝われば嬉しいです。」

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