INTERVIEW あおもりは、待っている。

弘前市

三上 未夢さんMIKAMI MIYU

あおもりは「祭り好き」を待っている。
弘前市 三上 未夢さん

桜まつり、ねぶた祭りなど
青森県は多彩な「祭り」がたくさんある、
エネルギッシュなところ。
参加したら本当に楽しい!
祭りや行事に、わたしたちと一緒に参加して、
この街の未来を盛り上げていきましょう!

あおもりは「祭り好き」を待っている。

「将来、青森県にホテルをつくりたい。」そんな想いを胸に、2019年、生まれ故郷の弘前市へUターンしてきた三上さん。
「Aomori&You」というWEBメディアを立ち上げ、青森の多彩な魅力を発信しています。「青森にホテルをつくる」という夢は高校時代から持っており、卒業後には「ホテルスクール」が特に有名なスイスの大学に留学。
メキシコやコスタリカでのインターンシップを経て、京都のホテルに就職するため帰国しました。

「帰国して京都で働いているときも、ずっと『地元にホテルをつくりたい』
という夢は持っていました。青森に戻りたいという気持ちがあるのに、なぜここにいるのだろう?と…。
その後、広島の生口島のホテルに移ったのですが、そのホテルは『ホテルが有ることで地域に人が来て活性化する』というコンセプトでした。
お客さまは単なるお金持ちだけじゃなく、経営者やまちづくりをしている人たち。
ホテルの経営者もまちづくりに情熱を持っている人で、その姿がキラキラして格好良く見えて…。
自分も単に従業員ではなく、そちら側に行きたい!青森にこだわってやりたい!そんな気持ちを抑えきれず、2021年9月に弘前にUターンしてきたのです。」

三上 未夢さん

青森を出て海外や日本各地に身をおいたからこそ、
自分が一番心地よくて、幸せを感じるのは
生まれ育った弘前だと強く感じたという三上さん。

「家庭的にも恵まれていたと思います。祖父母と過ごす時間が長かったのですが、米やりんごを作っていて、小さな頃から餅つきをしたり、りんごの収穫を手伝ったりという思い出がいっぱいあります。そうした経験がすごく贅沢で特別なものだったというのが、外の世界に出てから実感できました。」

自分自身が子どもの頃から体験してきた「青森の当たり前」を経験してほしいというのが三上さんの願い。
りんご農家さんも減少していたりすることから、その「当たり前」は、いずれはなくなってしまうかもしれない。
だからホテルを通して、当たり前を残していけるようにしたいという。

「もちろん県内には多くのホテルがあるのですが、私が作りたいホテルは少し違うのです。たとえば津軽塗等の伝統工芸は、ちゃんとした価値を理解していただける人に買っていただかないと残っていきません。
これまで私が働いていたのは『ラグジュアリーホテル』。良いものに対する審美眼、理解力があり、地域固有のものへの興味が強い人たち。本質的な価値をわかっている人たちがお客さまでした。
作りたいホテルは、そんな人たちがターゲットなんです!大きなホテルでなく、一対一で接客し、お客様が見たいもの、体験したいことを、アテンドして紹介する。
コスタリカで働いたホテルのように、食材等は地域のものを使う、プラスチックは使わない、地域で雇用して、地域に還元していく…そんなホテルが理想です。」

三上 未夢さん

地域の魅力を深く理解していただくには、急ぎ足の「観光」では難しい。
ある程度の期間滞在し、そこを拠点として、地元の人たちとふれあい、お店を巡り歩いたり、祭りに参加すると、「街の深み」がじわじわと見えてくる。

「知れば知るほど、ハマる。沼るのが、弘前なんです。
少しでも青森の暮らしに興味があったり、弘前のディープな魅力が知りたいというならば、ここ(弘前オランド)に来てみてはいかがですか?」

三上さんの取材で伺った「弘前オランド」は、
昭和53年築の建物をリノベーションした
複合施設。

1Fはカフェ&バー。そしてギャラリー。
電源・Wi-Fiありのコワーキングスペースとしても利用できます。
2Fはゲストハウス『ORANDOの二階』。
ここを自分の場所として活用してほしいという思いから津軽のことばで「おらんど」と名付けられたそうです。

「たとえばここに一週間ほどプチ暮らしをして、コミュニティの仲間と知り合い、街巡りや農業体験をしたり、祭りに参加するのも楽しいと思います。まだ、私のホテルはありませんが、食、人、文化など、弘前のいろんな魅力をご紹介できます。」

大都会に比べたら日常生活の賑やかさや刺激の少ない青森。
でも、だからこそ、祭りでも、まちづくりでも、『自分たちが主体的に盛り上げていこう』という強い気持ちを持つ、たくさんの人たちがいます。
弘前に移住するということは、そんな熱いコミュニティの一員となって、地域と自分の未来を盛り上げていくことなのかもしれません。

三上 未夢さん